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「総絞り振袖」とは?人気コーデ・ママ振袖アレンジまで徹底解説|とみひろふりそで

2025.08.20
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振袖専門店 とみひろふりそで です。

成人式や結婚式などの晴れの日に、思い出に残る華やかな装いを求める方に、近年「総絞り振袖」が注目を浴びています。

一枚一枚、熟練の職人による細やかな絞り技法で仕上げられるため、まるで一点モノのような風合いが魅力です。

この記事では、総絞り振袖とは何か、その特徴や美しさ、さらには着こなしのヒントまで、振袖専門店の視点から丁寧に解説します。

総絞り振袖の魅力・特徴とは

「絞り染め」は、奈良時代から続く日本の伝統染色技法。

布地を糸で細かく括り、染料が入らない部分を作ることで、立体的で奥行きのある模様が生まれます。

法隆寺や正倉院にも絞り染めの布が残されており、長い歴史を持つ日本の伝統工芸です。

▶︎職人による伝統技法

布地を糸やゴムで縛り、絞った部分に染料が浸透しないようにすることで、立体感のある模様や濃淡のニュアンスを表現できるのが特徴です。熟練の職人技が光る、この密度ある絞りは、手間と時間を要するからこそ価値が高まります。

▶︎柄・色彩の美しさ

花や枝、流水、古典文様などの伝統柄が、ふんわりと浮かび上がるように配置されることが多く、絞りならではの「余白の美」も楽しめます。また、色のグラデーションで深みと奥行きを感じさせる仕上がりになることも魅力です。

▶︎他の振袖との違い

一般的な「友禅(ゆうぜん)染め」や「手描き染め」の振袖と比べると、総絞りは柄の“陰影”が自然に出やすく、絵柄が浮かび上がるような立体感を感じさせる点で魅力があります。また、同じ柄でも一着ごとに絞りの具合や染まり方が異なるため、まさに“一生モノの特別感”を持てる点もポイントです。

絞りの種類(代表的な技法)

「絞り染め(しぼりぞめ)」には、技法の違いによって100種類以上のバリエーションがあるといわれていますが、振袖や和装に使われる代表的なものはおおよそ10種類前後です。

ここでは、よく登場する代表的な絞りの種類を、特徴とともに紹介します。

① 疋田絞り(ひったしぼり)

最もポピュラーな絞りで生地を細かく括って粒状の模様をつくります。細かい点が並んでできる模様は、まるで水玉のようで柔らかい印象に。
→ 総絞り振袖でも最も多く使われる技法。

② 本疋田絞り(ほんひったしぼり)

疋田絞りの中でも、粒がさらに細かく、均一に並んだ高級技法。職人が一粒ずつ手で絞るため、非常に手間と時間がかかります。
→ 高級振袖や訪問着に多く使用。

③ 鹿の子絞り(かのこしぼり)

小さな点模様が「鹿の子(子鹿)」の背中の斑点のように見えることからこの名がつきました。いわば「疋田絞り」の別名でもあり、総称的に使われることもあります。
→ 伝統的な文様として着物全般に人気。

総絞り振袖とは?

「総絞り振袖」とは、文字通り生地全体に絞り染めを施した振袖のこと。

江戸時代に豪華な着物が流行した際に発展し、絞りの技法の集大成として生まれました。

1着の総絞り振袖を仕上げるには、長い時間と高い技術が必要で、振袖の中でも特に高級品・特別な一枚として知られています。

江戸時代に豪華絢爛な着物にも装飾性が求められ、さまざまな絞りの技法が開発され、総絞り振袖も作られるようになりました。

絞り振袖の取り扱い・お手入れポイント

そんな人気の絞りの振袖ですが、通常の振袖よりも管理が難しいことに注意が必要です。 

絞りによって生まれた凹凸(シボ)は、湿気を含みすぎると平らになってしまうため、保管場所の適切な湿度管理がとても重要です。 

また、絞りは水分に弱いため、雨や汗に濡れないように注意しましょう。

少し手間はかかりますが、大切に扱えば代々受け継げる一生ものです。

着用・保管の注意点

1.着る前に湿度が高すぎないかチェック。
2.汗をかいたらすぐに拭き取る。
3.雨や雪で濡れたら、陰干しでしっかり乾かす。

なぜ今「総絞り振袖」が人気なの?

「落ち着いた雰囲気が好き」「でも地味にはしたくない」そんな声から、再び人気が高まっています。

最近ではSNSでも、黒や赤の総絞り振袖が「上品でおしゃれ」と話題に。

また、「ママ振袖」としてお母様の総絞りを今風にアレンジするスタイルも注目されています。

💡人気の理由まとめ

・総絞り特有の華やかさと上品さ
・小物でクラシックにもモダンにもアレンジできる
・SNS映えする存在感

というお声を良く聞きます。

みなさんSNSで今どんな振袖が人気なのか検索をするとおしゃれな総絞りの投稿が人気投稿として上がっており、注目が集まっているということも理由の1つです。

また最近では【ママ振袖】のプランも人気で、お母様の振袖が総絞りで帯や小物を自分らしくアレンジしたら凄くお洒落になる!というポイントも人気が出ている要因です。

「全体的に絞りが入っているから、華やかさもありクラシックな雰囲気が出せる」

「総絞りは小物のアレンジで古典的にも今ドキお洒落な雰囲気にもできる」

こんな理由から総絞り振袖が選ばれています。

人気の総絞り振袖コーディネート 3選

続いては、絞りの振袖の人気コーディネートを3コーデ紹介します✨

今回は、絞りの振袖の中でも大人気の「黒」の総絞り振袖でコーディネートをしてみました
黒の総絞りの振袖に華やかな古典の金の帯を合わせた「王道クラシックコーディネート」

上品さや高級感が増すのでオススメです。

また、赤系の小物を取り入れることによってより華やかな印象になります。

黒がポイントで入ると大人っぽく全体が締まった印象に。
モノトーンでまとめるのが今どき。
無地帯とのコントラストで、総絞りの美しさが引き立ちます。

くすみカラーを合わせると、一気におしゃれなヴィンテージ感に。

あえてシックにまとめてかっこよく。

総絞り振袖の華やかさに無地の帯を合わせるとその対比で垢抜け感が一気にup

黒や白のモノトーンでまとめるのも良し、どこかに差し色を入れると華やかになります。

差し色を入れる時は、自分の好きな色を取り入れてみましょう。

くすみ系でオシャレにビビッドカラーで華やかさをプラスするなど、お好みで遊んでみてください。
黒色の振袖でも「かわいく着たい!」という方は、赤·ピンク·パステル系の色を小物で合わせましょう。

レトロでかわいい印象になります。

帯は少し大柄の帯で個性的にアクセントを入れるとよりレトロ感が出てオススメです。

同じ振袖でも小物を変えると雰囲気もガラッと変わります。


ママ振袖・レンタルでも人気の総絞り振袖

最近はお母様の振袖を使う
「ママ振袖」プランも人気です!

お母様の振袖が「総絞り」という方も多いのでは?
小物を今風に変えるだけで、ぐっと今っぽくアレンジできます。

また、レンタルでも人気が高く、黒や赤など上品で華やかな総絞り振袖は早い者勝ちです。

まとめ

伝統技法が生み出す立体的な美しさが魅力の「総絞り振袖」。

丁寧に作られた一枚は、まさに一生の宝物。

お家に総絞りの振袖がある方も、これから選ぶ方も、ぜひ一度袖を通してみてください。